イラクで邦人解放のお噂

この組織、戦闘は素人なのかもしれないけれど、とても賢く、日本の世論を撹乱にかかっている様に見える。イスラム、狂ってると植え付けられている日本人の脳にも新鮮な衝撃を与えるかもしれない。この人質の価値は、生かして帰すことにあると判断しただけの事じゃないだろうか。金取れる人質なら金。確保し続けて最後に殺す価値があればそうする。
命という飴玉持たせて帰せば、素晴らしいものを貰った感謝の念で、渾身の力で味方になってくれるだろう。もともと、アメリカとか政府が嫌いでイラク入りしている連中ならなおさらの事だし、イラクの状況、武力行使に関して、どの国でも見解が統一されていない事を知ることなど、今のご時世ならたやすいこと。
被害者達は、自分が持たされた飴玉は、最初から自分のもので、元来、取りだしてしゃぶったり、色は何色かしらと確かめてみるものじゃないという事を、承知しているだろうか。この先、くだらない報道や、単なる安堵を越えた言の吐露が、暫く垂れ流され続けるんだろうと予測できて、たまらない。
民間の人道支援イラクが治まると信じるなら、この誘拐組織を頼りにして、こぞって支援に行けば良い。今回の件でパイプは出来た筈。必ず役に立てると売り込んではどうだろう。あんな状況の場所で支援に身を投じるからには、「死んでも騒ぐな、イラクのために死にに行くんだ」と言って、出発して欲しい。誰のせいでもない。
あ、そうか。まだお噂ね。解放された訳じゃない。家に帰るまでが遠足。
夜になったけれど……。報道の奥歯に何かはさまり始めた。はてさて。