小耳「入れ物」

「……それはつまり、君ィ。僕は右翼の青年の様に楽になりたいと」
「楽なんですか?右翼は」
「ギチギチの入れ物程、入ったら楽なもんはないらしいで」
「はあ……」
「そんな意味では、ギチギチなら左でもいいんかというと、様式美がわかりにくい」
「ううん」
「いや、別に右翼になれ言うてるわけちゃうで、入れ物のハナシや」
「入れ物っすか」
「ギチギチのプログラマーのな」
「どんなんすか」
「それを作るんでしょうが、自分で。自分で作って自分が入るんですよ」
「入って楽になると」
「様式美やで。でも、柔軟性を失ったら駄目よ」
「ギチギチの柔らかい入れ物っすか」
「そう」
「うー」
「右翼ちゃうねんから、その辺期待したらあかんわ、自分でやれ」
「えー」
叩き方が違うと、製品は違ってくる。