大人のオモチャの性能や機能は審査不能と判断

グッドデザイン賞に応募していた大人のオモチャが、書類審査を通って2次審査会に駒を進め、一般公開される展示会で主催者側から急遽展示を中止させられたという事があった模様。
まぁ、賞に関わっているお偉い人々やらその反応を推察する能力に長けた連中が、会場に大人のオモチャを展示するわけにもいかん!と、慌てたり怒ったりするのはありそうなことだけれど、じゃぁ権威あるグッドデザイン賞の書類審査って何さってなことですな。ブツのデザインやら何やらが水準クリアしてたんでしょ?
読売新聞では、こんな感じ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060902i401.htm

デザインや機能性に優れた製品などを選ぶ2006年度の「グッドデザイン賞」を選定するため、8月下旬に開かれた審査会に、都内のメーカーがいわゆる「大人のおもちゃ」を展示しようとしたところ、主催者側が急きょ、中止させていたことがわかった。
 「性能や機能を試す方法がなく、審査できない」というのがその理由。しかし問題のおもちゃは展示に先立ち、第1次審査の書類選考をパスしていたため、主催者側は非を認め、出展実費などをメーカー側に弁償するという

グッドデザイン賞側にしてみれば、とにかく謝って不手際で済ませたい!破廉恥な展開を水際で防ぐことそのものがどんな恥辱より大切。ささっと済ませて補償は実費のみ。ってなことでしょうが、メーカーにしてみれば、あの会場では俺たちの存在そのものが不手際だったのか!大人のおもちゃを制作している自分の立場をわきまえて、こういったハレの舞台に鎌首もたげようとすることそのものがカッパの心か!ソルティーかよ!ってなもんでしょう。お金じゃないんだってな領域です。
それにしたって、「性能や機能を試す方法がなく、審査できない」ってのはおかしいですね。試せるでしょ。にんげんだもの。臭いから蓋したいっていう正直さが見え隠れするだけでも良心的と思うべきなんですかねぇ。
“都内のメーカー”TENGAのサイトと開発アシスタントのブログへのリンク貼っておきます。サイトも製品もデザイン頑張ってるんだなぁという雰囲気が出ていて、余計に不憫です。
http://www.tenga.co.jp/
http://tenga.seesaa.net/


[追記]
書き終えた後に、ZAKZAKの記事見つけました。不憫さは募る一方ですよ。
試せないから駄目ってのは、土壇場でひねり出して来た言い訳で、それまでは別の事を言っていた様で、グッドデザイン賞の仕切りがやたらお粗末です。
http://www.zakzak.co.jp/top/2006_08/t2006082535.html

ビッグサイトに展示されると知り、生産工場で働く職人さんやパートのお姉さんたちも『自分らの仕事が認められた』とすごい喜んでくれた。見に行くのを楽しみにしてくれていたのに」


 男性用自慰用品「TENGA」のブースを一方的に撤去された「株式会社TENGA」の松本光一社長(39)は憤る。


 「アダルトグッズも日本の技術力に見合う、お客さんに喜ばれる物を」という思いから、自己資金1000万円と3年の歳月をかけ開発したTENGAは、精密な内部構造に加え、「部屋に置いても恥ずかしくなく、女性からもプレゼントできるように」と手に取りやすいデザインを採用。昨年7月の発売以来、100万個を売り上げた。


 「TENGAに携わるすべての人に誇りを持ってもらいたい」と賞に応募したところ、1次の書類審査をパス。通過すれば「Gマーク」がもらえる2次審査に向け、1カ月前から300万円以上をかけて準備を進めた。


 一度は認可した展示案に対し、開催5日前になって事務局が「商品の性格上、家族連れに配慮して直接触れないように」と急な注文を出しても、透明なアクリル板を用意して対応し、「これでいい、大丈夫」とお墨付きも得た。


 しかし、開催前日の22日、今度は「審査はするが展示は下げよ」との通告。土壇場での締め出しはさすがに拒否したが事務局は「決定事項」の一点張り。開催当日も「経緯の説明や根拠などについて書面でもらうまでここを動かない」と抵抗したが、初日3時間の幻の展示で終わった。


 「応募の際、『男性用マスターベーション補助具』と明記し、性欲制御や性感染症、性犯罪防止など商品の意義を説いた。ダメなら1次審査で落とせばいい。23日は『実際に試せないから審査対象外。だから展示も不可』と言い訳まで変わった。普段スポットライトを浴びない中小企業の職人に勇気を与えるのが賞の目的ではないのか」

自慰用品にGマーク!実現したら素晴らしく笑えるじゃないか。



ついでに、グッドデザイン賞側の言い訳。まぁ、イロイロばたばたしたんでしょうな。
http://www.g-mark.org/news/n_060823.html

ノミネートデザインの訂正について(2006.8.23)
A0120050は、審査の困難性により審査の対象から削除いたしました。
よって、ウェブによる情報公開およびGDPにおける展示は行いません。

http://www.g-mark.org/news/n_060828_2.html

審査対象外商品について(2006.8.28)
株式会社典雅から応募がありました「男性用生理用品」(審査番号A0120050)については、担当審査ユニットの判断をもとに、審査委員長が総合的に最終判断し、「審査対象外」といたしました。 事務局はこの決定を応募者に伝達し、同意を得た上、展示会場から撤去いたしました。
なお、一部夕刊紙に「女性など一部審査員からの批判が原因と事務局が説明した」との記載がありましたが、事実は前述の通りであって特定の一部審査委員の反対によって決定したものではありません。