もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

周囲で評判が良いんだが、仕入れを本が好きでもなんでもないバイトに任せっきりにしているという噂の莫迦な郊外型本屋チェーンのサイトをチェックしてみると、全県的に入荷していないのか、これ?という感じ。
アマゾンでも一時品切れということで、好奇心と飢餓感を同時に煽られて元日から本屋に行ってみる。
あった。呉西の某老舗書店は、もう一息だった書棚の面積を削って、ミスドのまがい物を売る様になった割には、話題の本を普通に平積みしている。専門書や小説は、アマゾンで買わねばならんけどね。
で、肝心の内容はというと、よくできたネタなんだけれども、小説じゃない。ネタは楽しめても小説が楽しめないんだが、この本はネタを楽しむための本で、小説を楽しむ本じゃないってことで、ビジネス書読みや、ラノベ耐性のある人には吉か?
とにかく、立て板に水で一本道の展開で、「もし」という考察の深みを感じさせないけれど、物語は手段に過ぎず、スムーズなネタの消化の妨げになってはいかん。と、そんなバランス感覚のものとしては、問題ない。
とにかく、単に俺が物語絡むと厳し過ぎるだけというハナシだろうけれど、もっと、書き方はあったんじゃないかと、思ったのでした。
本に書いてあった事が使えて、実践できる快感みたいなことや、ケーススタディめいたこと、右往左往する様などは、もっと書き込めた筈。
売れる売れないのハナシになると、確実に売れないのかもしれないが、サブテキストとして『マネジメント』のエッセンシャル版を参照する形での完全版が複数巻で出たら、面白い気がする。
ビデオレンタルと餌に頼る田舎の郊外型書店のマーケティングは当てにならないので(以下割愛)……。
高校一年生の夏休みの課題図書にすべき本だが、目の前の社長やビジネスマンの言葉の中からドラッカーネタをトレスしてどうにかできる人間には、不要な娯楽。この小説よりも、現実の方が普通に面白い。
仕方ないか。