球体関節人形展

見渡すと、ごちゃごちゃとちゃちな展示で有り難み無し。視野はあくまでも狭く、寄り気味にして吉。ええ人形。
それにしても、この並び方の惨憺たる印象は、船越桂展の時に通じる。二回目ってことは、行くたびに、あららと思うツボ押されるんだろうなあ。
イノセンスは、大画面でエンドレスで流している予告のおかげで、スルー確定。
日曜は展示でなく、客を見に行くと決心する。うひひ……。
と、スルー確定のつもりだったのに、いらんもん発見して、心揺らぐ。
プロデューサーとIGの社長のインタビュー。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_interview_suzuki01.htm
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/ghibli/cnt_interview_ishikawa.htm
結局、自己同一性や人の人たる所以といった、士郎正宗が娯楽としてバランスよく消化している部分を、敢えてほじくりかえして、作品でございます。娯楽でございますと宣伝するのか、このオタク野郎。埴谷雄高「死霊」でも音読しとけ。という事で、これまでの作品の事も考えると、まあ恐らく、楽しめる作品ではないなと判断したわけで、宣伝文句の『主人公バトーは、生きた人形(サイボーグ)。……』で、完全にアウトだった。見るにしても、誰かにDVD借りよう。と、積極的に買い支えるような真似は拒否。というレベル。
かつて、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が、美しいメロドラマ「ブレードランナー」になった奇蹟とは逆のプロセスで、漫画の攻殻機動隊がバランス良く隠蔽した部分を、映画の攻殻機動隊は、抉り出して、きちんと鮮明に見せてくれるのか、とんと外れ続きの押井それがちゃんとやってくれるのか、と、そこが今、まるで信用できなくなっていて、そのくらい、「攻殻…」→「アバロン」が痛かった。この二つの外れがスルー確定の一番大きな要因。
でも、エネルギッシュな商売人二人に防御任せて、押井がちゃんと牙磨いているんなら、映画館に行ってもいいかなあ。
結局、騙されたいのね。俺。