村の小耳2

「一日にどの位酒飲んどると、聞くねかぃ」
「おう」
「三合言うて答える者(もん)に、そんなら三日目の残り一合はどうすると聞いたら、残す言う者はまず居らん。」
「ああ、一合やしねぇ」
「そしたら、一日三合は間違いやろ。毎日三合でない、三、三、四のローテーションやちゃ。二日置いて四の日があるがなら、そんなん、毎日三合ちゅうがは、酒呑みな(が)なんやら少な言わんな、だしかん(駄目)気ぃしとるだけやちゃ」
「おお」
「また、一合ちゃそんなん、残しといても気持ち悪い程に見えるし、なんやら、置いておいたら味変わるがでないかとか……」
「見た目、少ないね」
「だから、聞いて三合と答える者は、皆適面に一緒のごまかしやちゃ。四の日な必ずある」