日々の期間工差別に関する考察

http://www.j-cast.com/2006/11/20003907.html

06年11月18日には「評論家の池内ひろ美さん、期間工トヨタを漢字で書けるのかと侮辱→記事削除」と題されたスレッドが、ネット上の掲示2ちゃんねるに立てられ、06年11月20日夕方時点でその数は5に上っている。
殺到したコメントは、批判や罵詈雑言などがほとんどで、06年11月20日夕方時点で1,000を超えた。なかには、コメント欄には「期間工」だという人の批判のコメントもある。

トヨタトヨタTOYOTAです。漢字はありません」「職業差別って楽しいですか 人を卑下することって楽しいですか虐めってなんかこう自尊心が蘇ってくるんですよね」「日頃から色々な職業の人間を馬鹿にしてそうですね」「あなたには必要ない人間かもしれないですがトヨタには必要な人間だからトヨタは300万以上払っているのでは?そもそも その言い草が失礼なんでは?」「ネットという公の場であれだけの差別発言をしておいてなんの釈明もなさらないのですか?」

といったもので、期間工に対する池内さんの発言が「職業差別」と捉える見方が大勢だ。

と、なんだか炎上しているブログがあると聞いて、行ってみたところ、気丈にも炎上→削除→再掲という素敵な展開だったので、今のうちにこれを記念。
http://ikeuchihiromi.cocolog-nifty.com/ikeuchihiromi/2006/11/post_35a3.html

「向上心がなくて勉強もせず、平日の早い時間から連日飲んでいる男の子なんて、うちでは絶対に雇わない。スタッフにはお願いして仕事をしてもらってんだから。お願いしたくなる子じゃないと雇わない!」
そうだよね。
彼らに年間300万円以上も払っているトヨタは偉い。

要は、居酒屋で期間工に声をかけられたんだけど、連中全くお呼びでなかったというハナシ。
お呼びでなかった連中が、全体的にいけてなかった理由が、向上心の無い期間工丸出しだったからお呼びでなかったということの様ですな。こう書いてしまうと、なんだか普通によくあることです。
例え話で職業差別批判を回避する努力をしている様ですが、まぁ、単純に居酒屋で居合わせた別の客にからまれて、なんとなく気分を害して河岸を変えるという、ありがちなハナシが、「(私が雇っている優秀なスタッフに比べて、全くいけてない)彼らに年間300万円以上も払っているトヨタは偉い」につながっているわけで、まぁこれは、あれですよ。ホットドック屋のバイトちゃんの、
「大量オタ。これがぶぁぁぁぁあっているの。恐い!きもい!」
と同じレベル。
「居酒屋で期間工。ちょっと相手したら付け上がるの。向上心ない!雇わない!」ついでに「トヨタ偉い!」です。
ま、それなりに名のある人なら、一瞬考えたとしても何処かで喋る前にもうひと捻り(再掲で捻ってる様に見せてますけど)。いや、それ以前にその酒の席だけで、多少毒も含む笑いとして終わればいいことです。
再掲の前口上の部分を読めばわかるんですが、自称期間工達のいけてなさは、自分を卑下して稼いでいる私たちのおこぼれにあずかろうとしている様に見えたというレベルにまで達していたわけですよ。その辺を、心に忠実に、きちんと彼らに限定する書き方をしないで、期間工全体をさしてしまった件をそのままネットで書いちゃったわけで、“低収入=本人の向上心に問題”という図式に無批判な奴ってことで、人から非難されるのはあたりまえではないかと思います。
ところで、このエントリーのカテゴリーは『原稿ストック』ですよ。まぁ、このストックがこの後何処で活用されていくのか、ちょっと期待しておりますです。
非才には、炎上経験→ネットの匿名性批判という陳腐な流れしか、思いつかないんですが、こういうのある度にちょっと目新しい意見が出ないかなぁと期待してしまうのはタダなんで……。
[追記]
この再掲に際しての一文の追加で、さらに火に油をそそいでしまったご様子。
http://www.j-cast.com/2006/11/21003918.html

「炎上」した評論家の池内ひろ美さんのブログに、2006年11月21日未明、同氏の「反論」が掲載された。しかし、「火に油」という形で、インターネット上はさらに騒然としている。現在では、ネット上の百科事典「ウィキペディア」など、ブログ以外にも余波が及んでいる。

まぁ、ここからが貫目の見せ所。
どちらにしても、公衆を前に素で悪態かませば、普通にこうなるでしょ。この経験を生かして、やおらネットの匿名性批判とかしはじめたら、それこそ滑稽です。
期間工達も、居酒屋で飲んでいた稼いでいる風の名前も知らない女に声かけて軽口たたいただけで、後日ネット上で期間工十把一絡げの扱いで罵倒されているわけです。気に入ってもらえなかっただけで、人間性から職業まで否定されるこの後腐れ。
こう思うと、居酒屋で意気投合なんてのが、いかに凄まじい偶然の産物なのかが伺い知れて、憧れてしまいますねぇ。いいなぁ。意気投合。
それにしても、コミュニケーションってなんですかねぇ。